独立して起業を考えたとき、資格は大いに役立つ武器になります。
しかし資格を取ることは時間も要しますので、どのように役立つかを十分に考えて取っていきたいところです。
大きく分けて、起業した後の作業に必須になる資格、起業した後にアピールにつながる資格、起業した後に知識として役立つ資格があります。
まずはどのような形の起業を目指すかで、取得する資格が決まってきます。起業後の姿を思い描きながら、どのような資格が必要か、考えるようにしましょう。
・起業後に必須になる資格
例えば、あなたが行政書士として起業したいと考えているのであれば、まず行政書士の資格がなければいけません。
パソコンサポートの一環としてコンセントの位置を動かすような仕事を考えていたら、電気工事士の資格が必要となります。
このように必須となる資格は、起業のプランを立てる上で、必ずどこかに取得の計画が入ってくることになります。
起業で成功するためには、どんな資格をいつ取るか、計画的に進めたいものです。
退職後は経済的な保障がないので、起業したいと思った時、在職中に資格の取得出来ると良いでしょう。
・起業後のアピールにつながる資格
資格には、アピールとしての意義を持つものも多くあります。
例えばアロマを使ったエステなどであれば、アロマセラピストといった資格がアピールの効果があります。
これは必須ではありませんが、営業や広告の際のアピールにつながります。
どのような資格を選ぶかのポイントは、いかにアピールにつながるかというところにあります。
またその資格が有名かどうかというのは大きなポイントとなります。
難関なのにその資格が知名度が低く、相手にとって何なのかわからなければ、せっかく勉強して資格を取ってもあまり効果はありません。
例えばあなたがExcelの資格を取ろうと思ったとき、Excelの資格はたくさんありますが、最も有名なのはMOSでしょう。
Excelのスキルをアピールしたいと思ったらMOSが最もアピールの効果があると思います。
・知識として役立つ資格
起業の際、知識として役立つ資格も数多くあります。
もちろん起業する業種によって、必要あるいは役立つ知識は異なってきます。それぞれの業種に応じた資格をとるための学習をするだけでも、いろいろな知識を身につけることができます。
例えば簿記や、給与計算実務能力検定などは勉強しておいて損はないでしょう。起業すると、会社員時代には必要がなかった、お金に関する様々な知識が必要になります。
簿記を取る場合は3級でもいいですが、2級ぐらいの知識があるとより良いでしょう。
今まで知らなかったお金の知識(税金や仕訳、お客様とのやりとりなど)を得ることができ、更に複式簿記の付け方は青色申告での控除にもつながり役に立つはずです。
ここで起業を目指す方に特におすすめの資格をご紹介します。
自分が起業しようと考えているジャンルやビジョンに合った資格を取得して、起業した後もずっと役立つ知識を身につけましょう。
・日商簿記(2級)
経理・財務系の資格の中でも、最も有名なものがこちら。財務諸表を読む力や、企業の経営管理の基礎知識を身につけることができる資格です。
4級から1級までありますが、現場で使える技能が身につきやすいのは2級。
さらにステップアップして1級を取得できると税理士試験の受験資格が得られるので、将来税理士として独立を見据える人にもオススメです。
受験料
4630円(税込)
取得までの期間の目安
半年~1年
取得にかかる金額の目安
5万円から10万円程度(スクールを受講した場合)
・給与計算実務能力検定(2級)
どんな会社でも行われている給与計算の業務。
そのための基本的な技能があることを証明するのが、この給与計算実務能力検定(2級)です。
厚生労働省が認可する団体が主催している資格で、採用担当者の間でも経理の基礎能力をはかるひとつの指標として定着しています。
起業した際、業績が安定するまではなるべく少ない人員で利益を出すことが大切なので、給与計算の知識は身に着けておきたいところです。
受験料
8000円(税込)
取得までの期間の目安
3ヵ月程度
取得にかかる金額の目安
4万円(公式の対策講座・模擬試験講座を受講した場合)
・ビジネス会計検定試験
ビジネス会計検定(財務諸表理解力検定)は、大阪商工会議所が主催する検定資格です。
1級、2級、3級の検定試験が行われています。
今はあまりメジャーな資格ではありませんが、企業を目指す方にはとてもおススメな資格です。
なぜならこの資格では、起業を分析することに特化した資格なのです。
企業分析のためには、対象となる企業が外部に公開している損益計算書や貸借対照表などの財務諸表の分析をする必要がありますが、実はこのスキルを身につけられる資格というのは他にほぼ無いのです。
ビジネス会計検定とよく比べられる資格の簿記検定ではこれら財務諸表を扱いますが、しかし簿記検定は分析ではなく作成の手法を学ぶのです。
作成スキルが分析にも多く役立つことは間違いありません。
しかし、作れるというだけでは客観的に分析する能力が育成されたことにはならないので、ビジネス会計検定の勉強で身につく知識は起業家にとって、とても有意義になるのではないでしょうか。
法人営業や企業を分析出来るということは、すなわち他の会社のニーズや弱点を知ることに繋がります。
営業相手が求めていることがわかれば商談で話すことも決めやすくなりますし、ライバル企業の弱みがわかれば戦略が立てやすくなるでしょう。
受講料
3級: 4320円
2級: 6480円
1級: 10800円
取得までの期間の目安
1か月~3ヵ月
取得にかかる金額の目安
1万円から3万円(対策講座・模擬試験講座を受講した場合)
知識は決して無駄にはなりません。資格を目指すことで起業に向けた道筋が見えてくることもあります。ぜひ資格を目指してみてはいかがでしょうか。